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青紙と白紙 [メンテナンス]

茲暫く、多忙につき、ブログを更新出来ず、載せる写真のネタも無い。
土日は、休養にあて、自宅で砥ぎ作業に没頭中。(苦笑)

土佐(高知)の鍛冶屋のHPで、購入した福袋(小刀4本)を砥いでいるのだが、これが結構面白い。(自宅の包丁は、砥ぎ過ぎた為に、クレームが出て、あまり鋭利に出来ず、面白くない。)これまでの、対象物は、殆どが、銀紙と呼ばれるステンレス鋼なのだが、現在砥ぎ始めたものは、俗に云う青紙2という鋼の種類で、上手く砥ぐと、面白いように切れるのだ!

この青紙2の上に、青紙スーパーと云う鋼があり、何となくスーパーが付いてしまうと、更に切れ味が上がるような感じがするのだが、スーパー=切れ味と云う内容ではないらしい。専門ではないので、詳しくは理解していないのだが、含有する炭素量を増やしてあって、微量の他の金属を混ぜて、硬度と対摩耗性能、靭性を向上させてあるらしい。(要約すると、一旦砥ぎ上げると、切れ味が長持ちし易いということみたい・・・・)

参考文<白紙は、天然砥石で鋭利な刃が付き、最上のものとされてきました。炭素鋼は不純物が少ないほど焼入れがむずかしいのですが、純度の高い白紙は焼入れの効果が出る温度帯が狭く、最適な温度から急冷しなければ完全な焼入れにならず、硬さが出ません。
鍛冶職人の技が問われ、それだけに腕がふるえる鋼といえます。>

参考文抜粋<鋼の中に研ぎにくい鋼と、研ぎ易い鋼があります。青紙は非常に研ぎにくい。そう云う研ぎにくい物は、大工さんとしては、却々刃がつかない。刃がつかないと此の鋼は硬いというんです。硬いんじゃないんですよ。研ぎにくいだけなんです。そんなら試しにシャベルを研いで御覧なさい。研げるもんじゃない。シャベル・.つるはし・鉄道のレール・ステンレスの刃物、くにゃりと曲がるくせに、砥石にかけると研げやしない。研ぎにくい性質と砥ぎやすい性質は鋼の種類によって決まっておるものです。それを大工さんは、却々研げないと、之を硬いと云います。硬さを機械にかけて測(はか)って見ると、案外に軟らかい物もあります、すべて鋼というものは炭素によって硬さが変わる。だから青紙一号の炭素量と、白紙一号の炭素量、黄紙一号の炭素量は同じです。焼を入れると此の三つは同じ硬さになる。それを青紙が特に硬くなり、黄紙がそれ程硬くならんと思うなら、大間違いです。硬さは全部同じです。
値段の差は何によるかと云いますと、青紙はタングステンが入っているので高い。タングステンが入ると、鍛錬によって分子が細くなり易く、焼入れは油でも完全に入るという都合の良い性質があるのです。
白紙は青よりは値段が低いが、ウデのよいメーカーが使うと、同じ硬さであっても、粘り気があって、刃が長持ちするものが出来る。砥石に掛り易く鑢やセンも掛り易い。だが普通のメーカーではうまくこなせないのです。
従って鋼の善悪を値段だけで決定してはいけません。

千代鶴是秀を襲名した三代目千代鶴(落合宇一さん)は、白紙と青紙で鉋を造り、切味試験をした結果、白紙の方が倍も長切れすると発表された事があります。
私共が剃刀を造っても判ります。白紙の方が切れるのです。所がです白紙の方は、鍛錬が難しくって、どうしてもポロ欠けする様な刃物になり勝ちです。それに焼入れが面倒でして、油なぞで焼入れすると雲が沢山出ます。
雲というのは刃物に光を当て、見ると、雲の様なものが刃物の表面に見えます。其の処は軟らかいのです。焼が完全に入っていない為です。ヤスキ製鋼所の説明書に依れば冷却剤として白紙には油か水と書いてありますけれども、油では焼が入りにくいです。私共の実験では油の中で焼入れをしてもうまく受けつけません。水でなければよい焼が入りません。
青紙の方は油でも水でも焼が入るのですが、白紙はそうでありません。水を使っても、鋼の出来具合いによっては、雲がついて、まん中に軟らかい部分が出る事があります。そういう性質を持って居ります。鋼というものは、優秀であればある程焼入れが面倒なのです。

何故青紙が値段が高いのに、白紙の方の切味がよいのか。段々調べて見たら青紙にタングステンが入って居るのです。タングステンは一トン三百万円位するのです。だから高いのです。併しタングステンが入って居る為に、長切れしないのです。こういう事実があるのです。加藤重利さんと一緒に、私の所へ鉋の研究に来られた、鍛冶町の五十嵐さんといふ方が、面白い事を云われました。青紙と白紙で鉋を造って欅(けやき)の渦を巻いた硬い所を削って見る。青紙は間もなく参って了う。最後迄切味の止まらんのが白紙でした。>



青紙スーパー>青紙1>青紙2>白紙(1>2>3)>黄紙(2>3)と云う具合に、鋼の種類は多種存在していて、価格もほぼこの順番に準じている。鋼=錆びると云う事で、前述の銀紙=ステンレス=錆びにくいものとは、違う鋼材に分類されている。

この様な刃物用の特殊金属に関しては、日立金属が圧倒的なシェアと技術力を有していて、ほぼ独占している。(安来鋼と言われるブランドにまで発展しており、これらの原料鋼を鍛冶屋さんが買い入れ、それぞれ独自の鍛え方で、製品化しているのが、刃物業界らしい。。。)鍛冶屋の技術によっても、良い刃物になったり、駄作になったりするらしい。

安物のステンレス包丁を研いでいるばかりでは、砥ぎの訓練にならず、福袋の小刀を調達して、青紙2の刃物の砥ぎに挑戦中なのである。まだ、50%程度しか砥ぎ切れていないのだが、この段階ですら、腕の産毛が、刃を滑らすだけで、殆ど剃れる。市販されている状態から、上手く砥ぎ上げて行くと、面白いように切れる刃物に生まれ変わるらしい。(所謂、刃付けがなされる訳である)

砥石も#1500→#5000と段階を経て、砥ぎ上げて行くのであるが、#12000辺りで仕上すると、凄い切れ味になるらしい。(来年になったら、#12000を捕獲してみたい??一体、何処に向かおうとしているのか??)

只管、砥ぎに専念していると、脇から息子が、「何切るの?」と素朴な疑問をぶつけられ、咄嗟に、「鉛筆!」と答えたのですが、別に鉛筆削るだけなら、茲まで拘らなくても良いんです。実際のところは・・・・・。はい。手なんぞ切れたら、危ないからね。。。。。。



追伸:私は、世間を騒がせたりする、俗に云う刃物マニアでは決してありません。単なる半端な砥ぎマニアに属していますので、誤解無きよう!
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海子

初めまして。切れ味のいい包丁がほしくて
色々検索していてここにきました。
青紙スーパーで検索していたのですが・・包丁の
流通経路とか成分ってものすごく複雑で難しいんですね。
調べれば調べるほど意味がわからなくなってきました・・・。
by 海子 (2010-10-23 18:35) 

kazu1537

>海子さん

鍛冶屋の数も多いし、地方によっても、造作が少し異なるし、価格もピンきり。
刃物選びは、難しいとは思います。
メンテナンス=研ぎをしないと、どんなに高い包丁を購入しても、切れなくなるのは同じです。出来れば、真面目そうな(?)鍛冶屋のHPでダイレクトに購入されることを勧めます。

研ぐのは面倒ですけど、切れ味を良く保つのであれば、砥石を購入することをお勧めします。

by kazu1537 (2010-10-24 09:01) 

工具鋼屋

 それにしても日立金属さんは流石だ。このまえの金属学会で新たなトライボロジー理論を発表した。自己潤滑性の根源に迫る素晴らしい発表だった。
by 工具鋼屋 (2013-04-21 19:52) 

kazu1537

>工具鋼屋さん

阪大、東大、京大、東北大等の金属工学の研究分野は、世界的にもとても優れているようです。難しいことは解りませんが、日本の将来を支える為にも、基礎研究機関が、もっと充実することを、期待します。

ロシアの金属工学も優れていると聞きますが、ロシア製の刃物が優秀とは聞いたことがありません。なんででしょうか?
by kazu1537 (2013-04-22 08:35) 

トライボシステム展望

 現在の機械構造材料の最大のネックは摺動面。
いくら機械的特性(材料強度・硬さ)が高くても、材料というものは摩擦に弱い。
そのため潤滑油が存在する。しかしながら、それでも弱いので
コーティングをする。
しかし、日立金属が開発した自己潤滑性特殊鋼SLD-MAGICは
コーティングレスで摩擦に強いことが特徴。そのメカニズムは
潤滑油と鉄鋼材料が相互作用を起こし、グラファイト層間化合物
という高性能な潤滑物質を作るためであることが、日立金属技報
2017で公表された。
 これにより機械設計は小型化され、摩擦損失と軽量化の同時
解決が見込まれ、自動車の燃費向上に大いに寄与することが期待
されている。
by トライボシステム展望 (2017-03-05 20:01) 

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